物見の衆を、よくよくご吟味あって☆ | げむおた街道をゆく

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上方衆の武辺と関東者のそれとは、同程度の人数で、

両方の大将の能力も対等であった場合、
運次第とは言いながら、上方衆は5度に4度は敗軍するということ、

信玄公の時代より今まで、
数度にわたって見聞きしております。

しかし、関東武士と言っても強勇の者ばかりというわけではなく、

また上方侍とて、弱い者ばかりではありません。

 

ですが、上方の軍勢の特徴として、備え立てに吟味が薄く、物見を大切にしない、
という所があります。
 

専門の物見武者を選定せず、その経験を積ませること無く、

誰であっても物見は出来るのだ、
などと心無い者は考えているそうです。

上方衆は物見に出て、遠きを計らず敵を賤しみ、荒事ばかり言って、

人を預けても合戦の時は、
彼らは寄騎同心を捨て、一人先に行って抜け駆けをするのを手柄と考えますから、

心がけのある者は、預かりの人を捨てて先に行き、一番槍を好みます。

ですから、敵将が名将ですと、1,2の備えを捨てて、

3,4にて勝つような戦略を立てます。
上方衆は先陣ばかりを切り崩せ、ば敵は敗軍し勝利すると心得攻めてきますが、

2,3の備えにて切り崩され、結局彼らのほうが敗軍します。

信玄の歌にこのようなものがあります

「軍には 者見なければ大将の 石を抱いて淵に入るなり」
「戦に 日取時取さしおきて 物見を掛けて兼ねてはからへ」

この二首は信玄公より勝頼へ自筆で書かれ、伊那へ入城の折に遣わされました。
物見の衆をよくよくご吟味あって然る可きです。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 井伊の赤鬼、井伊直政

 

 

 

ごきげんよう!