あれは、敵か味方か☆ | げむおた街道をゆく

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関ヶ原で、東軍が大勝し、三成の陣悉く潰れたが、

山の側を伝って、人が多く通っていた。
 

井伊直政、これを見て、松倉豊後守(重政)に向かって、
「あれは、敵か味方か。」
と尋ねた。

 

松倉は、

「敵とも味方とも見分けがたい。」

と申している所に、甲州衆が合流した。

直政は、彼らに重ねて、

「あれは、敵か味方か。」

と尋ねた。

 

甲州衆より、

「紛れも無く敵です。」

と申した所、直政は、二の句もなく即座に馬に乗り、これを追った。

この時、右の腕を撃ち抜かれ、落馬したのである。

松倉は、その後、この甲州者を激しく叱りつけた。
「私も最初から敵だと判断していたが、味方がこれほど大勝しているのに、

こぼれ物の退兵を攻撃しても益はない。

しかし敵と聞いて付かないのは、甚だ本意に非ず。

だからこそ私は、何となくの返答をしたのだ。

それなのにお主は、巧者のふりをして要らぬ見切りをした。

故に大将に手を負わせたのだ!」

この甲州者は、早川弥左衛門であったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 井伊の赤鬼、井伊直政

 

 

 

ごきげんよう!