家康の薬☆ | げむおた街道をゆく

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関ヶ原直前の八月八日、かねてより体調を崩していた井伊直政は、病に倒れた。
外様諸侯の相手をせねばならないのに、

普段の不摂生がたたったのか体はいうことを聞かず、
甚だしく熱を発し、生死の境をさまよう危篤状態が数日続いた。

これを不寝で看病していた医師の某は、

あらゆる薬を試したがどれもまったく効果が無い。
未だ服用していない薬が一つあったが、

それは直政が以前家康より拝領した、

飲めば生死は二つに一つと言われる劇薬であった。

「これを用いるべきだろうか。」
そう尋ねる直政に、匙を投げかけている医師の答えることには、
「病ここに至った以上、用いるよりほかありますまい。」

その言葉を聞いて劇薬を服用した直政、汐が引くように熱も下がり、

みるみるうちに全快し八月十二日には監軍に復帰した。

しかし薬の服用を定めた医師某にはなんの褒美もなく、

まもなく改易されてしまったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 井伊の赤鬼、井伊直政

 

 

 

ごきげんよう!