小川関書の狼藉☆ | げむおた街道をゆく

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豊臣秀吉の時代のこと。

徳川家康の旗本である筧助兵衛という禄五百石の者、

2年の間、京に御使として駐在していたが、
その勤めも終わった、帰路でのこと。

 

筧の旅宿に、秀吉の直参である、小川関書という者が押しかけてきた。

筧が、

「何事であるか、狼藉なり!」

と抗議すると、

「筧の槍持ちは、先年、我が家において、罪を犯し欠け落ちした者であるが、

今、この宿において見つけた故、捕えるのだ!

速やかに彼を差し出すように!」
そう罵って、今にも乱入する気配であった。

 

しかし筧、
「おおよそ天下には御定法があり、あえて違うべきではない。

また武士は礼を以って立つものである。
一応の届もなく、みだりに追い込んでくるのは礼ではない!
私は、今、京都に使いして帰る途中である。

そこで鑓がなければ奪い取られたと言われるだろう。
願わくば静まれよ。

命を伝えて後に、相違なく槍持ちを送り届ける。」

そう言って、さらに、その旨を文書に書いて証拠として残すとまで言ったが、

それでも小川は、全く承知せず、

「遅く出すくらいなら、討ち果たせ!」

とまで言ってきた。

「さてさて何と理不尽なことか。そういう事であるなら、私も絶対に出さない!」
 

筧も怒り、双方既に戦いに及ぼうという時、

ここを井伊直政が通りかかり、

この騒ぎを聞いて、
ともかく筧を説得し、かの槍持ちを出させようとした。

しかし、筧から仔細を聞くと、直政も共に激怒。
「無法千万の者共なり!

この上は、もし手を出す者があれば、

一人も残らず斬り殺すべし!」
 

そういうと即座に、従者5,600人を武装させ集合させた。
 

その勢いに驚き、小川は、引き退いたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 井伊の赤鬼、井伊直政

 

 

 

ごきげんよう!