この首を、それがしが取ったことは☆ | げむおた街道をゆく

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井伊兵部(直政)家中の木俣土佐の家来・何右衛門は、

九戸陣で首をひとつ取ったのだが、
その首を、朝比奈左大夫が、頻りに奪い取ろうとした。

 

何右衛門は、為す術なく奪い取られる時に、

その首の右耳の外れから左へ一刀を突き通した。

後に首実検の時、朝比奈は、その首を持って出た。

そこへ何右衛門は、つるつると走り寄り、
「重いものを、ここまで持参してもらいかたじけない。」

と、言うと、羽織を首へ被せて、

「この首を、それがしが取ったことは疑いない、 あの男が奪ったのだ!  証拠がある!」
と、言った。

 

朝比奈は、

「下がれ!  推参をぬかしおる!」

と言うも、何右衛門は少しも屈さずに、首の耳下の証拠を告げた。

朝比奈は終いに、武士をやめて法体となり、

道無と名を改めて、駿河様のもとへ出て、
その後に三河守殿に仕えた。
 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 井伊の赤鬼、井伊直政

 

 

 

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