左様にても、殿があのように仰せられたのだ☆ | げむおた街道をゆく

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小牧長久手の戦い時、井伊直政は、高木清秀に取り縋って泣いた。
「今日の合戦は、多分、私は功名を立てられないでしょう。」
清秀は、そんな直政を慰めた。
「いや、そのような事はない。やがて手にあいなさる。」

開戦前には、家康が、直政の陣へ行き、直政の手を取り別れを告げた。
「これにて、さらばだ。」
「そのようになりましょう。」

と直政が応えた。

これを聞いた直政の家来で老功の者が、直政を諌めた。
「あのように、弱き御挨拶を、お返しなさるとはどういうおつもりか。」
 

直政は、応えた。
「左様にても、殿があのように仰せられたのだ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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