お供えの赤飯☆ | げむおた街道をゆく

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ある戦いで、家康は敗走した。

近習五、六人ばかり連れ、疲れようが飢えようが必死で駆け抜け、

途中神社の境内で休息したところ、お供えとして赤飯が置いてあった。

「おお、これがホントの天の助け!」
 

みなで分け合い、ありがたく頂戴したが、

小姓の井伊万千代だけは、食べようとしなかった。
 

「小僧の遠慮も、時と場合によるぞ! 

まだ道は長い、足を引っ張らぬよう飢えを凌がぬか、馬鹿者!」

家康の叱責に、万千代は答えた。
 

「いや、遠慮で食べない訳ではありませぬ。
こうしている間にも敵は我らを狙っており、追い付かれる場合もございましょう。

その時は、足手まといの私は、踏みとどまって討ち死に致しますので、

殿は、その間にお逃げください。
全滅して、

”家康は、飢えのあまり、君臣別なく、お供え物を食べた。”

などと知られるのは、無念にござる。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 井伊の赤鬼、井伊直政

 

 

 

ごきげんよう!