徳川秀忠が、兄弟の義直、頼宣、頼房と、雑談したときの話。
秀忠、「私はどうしてもやりたいことがあるが、未だにそれが出来ないんだ。」
頼房、「それはいったいなんですか?」
秀忠、「高い所で鼓を打ちたいんだ。きっと気持ちいいぞ。」
頼宣、「そんなこと、今からでもできるじゃないですか。」
秀忠、「いや、私が鼓を打ったら、城下の者が真似をするだろう。
それが広まって今度は日本中の者が、高い所で鼓を打ち始めるに違いない。
だからやりたくてもやらないのさ。」
秀忠は鼓が好きだったが、将軍になってからは一度も打つことはなかったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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