秀忠公は、病の間も一日も、髪を結わせない日が無かった。
これは天下の事を日々お聴きになられるので、
その礼儀の為であった。
家光公はこれを聞き御気の毒に思われ、
御政道の事はしばらく、お耳に入れぬよう老中へと申し渡したので、
あらゆる報告が当分差し控えられた。
秀忠公は、
「天下の事を一日も聴かないのでは、気になってかえって気分が優れなくなる。
天地のうちに役割をもたぬものが居ないように、
天下の主将は死に至るまで、政事を聞くことこそ本意である。」
と仰せられた。
その後は元のように報告するようになったと言う。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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