信長包囲網が形成されていたころ、
松永久秀と明智光秀が、陣を並べることがあった。
戦を前にして、
陣を見回っていた光秀は、久秀の備えの一部が突出しているのを見つけ、
久秀に忠告した。
「松永殿、貴殿の備え、少し出張り過ぎたところがあるようだ。
今のうちに、備えを立て直されよ。」
「おお、これは面目ない!
しかし明智殿よ。この松永も日ごろ茶人、数寄者と呼ばれる身。
それが人前で二の湯を継ぎ足し、
茶を『点て直す』などという見苦しきマネは思いもよらぬ。
あの備え、廃るというなら捨てるまでよ。それ、かかれ!」
そう言って、そのまま敵陣に突き入れ、勝利してしまった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!