三好長慶が亡くなる直前のころ、松永久秀は長慶の妻である左京大夫局を奪って、
自分のものとした。
ある日、久秀は果心居士を招いて会話をしていた。
その中で、
「自分は、生きていて一度も恐怖を感じたことがない。
そなたの術はわしを恐怖させることが出来るか?」
という話になった。
それを聞いた果心は久秀に人払いをさせ、灯りを消した。
すると、突如として雷雨が降り始め、雷がなった瞬間、久秀の目の前に一人の女性が現れた。
それを見た久秀は真っ青になった。
その女性は、すでに亡くなっていた左京大夫局であった。
左京大夫局は長慶の名を口にしながら、ゆっくりと近づいてきたので久秀は思わず、
「もう止めてくれ。」
と叫んだ。
すると左京大夫局は消え、雷雨は止んだという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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