細川記に曰く、永禄元年六月九日。
松永弾正久秀は、五千の軍勢にて将軍地蔵山に陣取り、
近江の六角義賢の勢に向かって合戦を始めた。
互いに新手を入れ替え、終日戦し暮にかかった頃、
近江勢は討ち負け、五十三人が討ち死にした。
松永は勝ちに乗じて撤退する六角勢を追いかけ、
「松永弾正久秀なり!」
と名乗った所、
近江衆に竹林坊という、名を得た弓の上手が有り、
松永を狙って丁と射た。
しかし松永の運が強かったのか、竹林坊が射た時、
胸板に弦が擦れたために狙いが外れ、
その矢は松永が乗っている馬に当たった。
馬はそのまま倒れたが、松永はとっさに弓手に飛び降りて、
危うき命を助かったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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