藤孝と歌道☆ | げむおた街道をゆく

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藤孝は若いころ、
「歌詠みなどは公家児女がやることで、武士なら恥ずかしくてやってられない。」
と見向きもしなかった。

ある時、敵将を追っていたが、途中で見失いあとへ引き返そうとすると、

藤孝の供の一人の侍が馬の口を押さえて、

「いま少し追撃するべきです!」

と進言した。
 

藤孝は首を横に振って、
「長路、すでに人馬も疲れて追いつくことが困難だし、

そもそも敵はすでに遠くに逃げてしまっただろう。」
と言った。
 

すると、その侍が、
「歌の心を持って考えてみまするに、
『君はまだ遠くには行かじ わが袖の 涙もいまだ冷ややかならねば』
という古歌があります。

いま、敵の乗り捨てた馬をなでてみますと、

鞍がまだ温かですから、
敵はそう遠くへは逃げておりますまい。」

という。

藤孝はそれを聞いて感心し、侍の助言どおりに追って行くと、

まもなく敵に追いついて、敵将を捕虜にするという戦功をたてることができた。

それ以来、藤孝は歌道を好み、ついに歌道の達人になったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 当代一流の文化人、細川藤孝

 

 

 

ごきげんよう!