かつて、高虎が浅井家の足軽だったころ。
高虎は山口茂左衛門という小頭の部下だった。
高虎は貧しく、朝めしも食わず出仕してくることがよくあった。
茂左衛門の妻はこれをことのはか不憫に思い、たびたび茶漬けなどを食べさせた。
「このご恩は、後々まで忘れません。」
高虎はそう言ったという。
時が移り、ようやく高虎も城持ち大名になった時、
浪人していた茂左衛門は高虎のもとに呼び寄せられた。
そして、三百石取りの客分として召抱えられたのである。
藤堂家中で茂左衛門は、「殿」付きで名を呼ばれ、丁重に扱われたという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!