昔、藤堂和泉守の児小姓の間で衆道が流行していた。
和泉守がどんなに禁止しても男色熱はいっこうに冷めない。
困り果てた和泉守は、ある日、藩士たちに向かってこう言った。
「よし、お前らよく聞け。
衆道の契りを結んだ者たちには、知行を与えてやるぞ。」
あたかも衆道を奨励するようなお達しに、
しかしその後衆道の流行は急速に衰えてしまった。
どうやら「知行ほしさ」に衆道の契りを結ぶと思われては武士の名折れ、
と恥じたからなんだそうな。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!