ある時、藤堂高虎は子息を戒めてこう言った。
よいか、よく聞け。
臣下に賞を与えるにあたっては、
今日与えようと思えば早速に与えることだ。
今しばらく様子を見て、などとその時期を延ばすものではない。
賞というものは、
思いついて即与えたとしても、本人の心では三年も遅いように思うものである。
ましてやその時期を引き延ばせば、その者は、
「勤め甲斐がない。」
と落胆して、いい加減な奉公をするであろう。
そして、それを察した主人は、
「速やかに賞を与えられないのを怒る不届き者よ。」
と憎む心が生じる。
主従の感情は遂に、互いに相容れぬようになるであろう。
聞いた者はみな、名言だとした。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!