皇室を尊ぶ☆ | げむおた街道をゆく

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ある日、将軍・徳川秀忠の御前で、僧天海がこのような事を申し上げた。

「今、諸侯は従順となり、天下には事もありません。
もし皇居を伊勢に遷し、公卿百官には太廟の祭祀を行うことを職とさせれば、
則ち天子は神祇伯(律令官制における神祇官の長官)と変わりません。
そうなれば、幕府の尊さは、おのずから今の天朝と等しいものとなるでしょう。」

藤堂高虎は、これを聞くや、
 

「それは不可なる事である!
諸藩、諸将が尽く幕府に屈するのは、それが能く皇室を尊び、名分を重んじ、
それを以って萬姓の心を得ているからです。
もし天子をして神祇伯のようにしてしまえば、諸侯諸将はこれを以って名分とし、
争って兵を起し、以って天朝を侮蔑するの罪を問わんとするでしょう。
これは大乱の基であります!」

徳川秀忠は、この高虎の発言を深く然りとした。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 下天を謀る・異聞、藤堂高虎

 

 

 

ごきげんよう!