挑発合戦☆ | げむおた街道をゆく

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大阪冬の陣でのこと。
天王寺口では城の中から、彼らを包囲する攻め手に向かって、

こんな言葉を投げかけた。

「大御所(徳川家康)が御馬を我々に向けられたので、華々しい軍勢を見物いたすぞ!」

挑発である。さて、この言葉に反応したのは藤堂高虎の陣であった。
藤堂陣からは、こんな言葉を返す。

「見物くらいがお前たちにはお似合いだ!

お前たちのような牢人共は金銀に目がくらんで籠城したが、

金を受け取ったからにはさぞかし命は惜しいだろう。
そんな軍は比丘尼にも劣る!
命が惜しければ逃げ道をこしらえてさっさと落ちろ牢人共よ!
今回は特別にその広言を許してやろう!」

これに城方答えるに。

「天下分け目の戦に、そんな雑言は無用である!
お前たちは、忠臣二君に仕えずという侍の本分を知っているか!?
我々牢人は今まで、違う主君に仕える事を潔しとしなかったために、

牢人をして時節を待っていたのだ。

お前たちの主人和泉守(高虎)のような内股膏薬の間に合いの如き者に、
我らが如き本来の武士が成ることは無いのだ!

命が惜しければそこから逃げこの城に入れ!

その生命、助けて取らせるぞ!」

主人高虎を馬鹿にされたこの言葉に藤堂陣の者たちは激怒、

一斉に鉄砲を打ちかけたが、
これに城の中からはどっと笑い声が上がった、という。

大阪冬の陣における、挑発合戦のヒトコマである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 下天を謀る・異聞、藤堂高虎

 

 

 

ごきげんよう!