赤坂の町を焼かず☆ | げむおた街道をゆく

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関ヶ原の時のこと。

岐阜城を陥落させた東軍諸将は更に進軍、

筋道を放火しながら本海道をまっすぐに押し行った。
 

しかしこれを見た藤堂高虎は、
「このようにどこまでも焼き払っていては、今夜の食を整えることも出来ず、

大変に不自由である。」
と考え、

 

先手の藤堂玄蕃に、
「何処でも良き町を一ヶ所、確保しておくように。」
そう伝えると、玄蕃は赤坂の町口へ一番に乗り付け、ここには人を残し置いて、
後から来る味方には、
「この宿は焼いてはならないと、諸大将より仰せ渡されています。」
と説明するよう申し含め、玄蕃自身は馬より降り、

歩行の者を左右に分けて町中に触れさせた。

『この町は放火あるまじき旨を固く命じた。であるので、誰も立ち退きなどすること無く、
心やすくここに在って良いぞ。』

そう、静かに伝えた。
こうして諸軍はこの町に入り兵糧を整え、皆疲れを休めた。
それから町の後ろにある虚空蔵山へと上がり、何れもそこで宿陣をした。

諸軍の大将達は、
『赤坂の町を焼かなかったことは、高虎の軍事巧者ぶりの発揮であり、
おかげで味方の士卒は大変な自由を得た。』
と感じ入った。
 

そして高虎は、また玄蕃を呼び出して、

「お前が良き処置をしてくれたおかげで、赤坂を確保できた。」

とその功を讃え褒美を与えた。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 下天を謀る・異聞、藤堂高虎

 

 

 

ごきげんよう!