再び天正13年秀吉の四国征伐、藤堂高虎による阿波一宮城攻めでのこと。
高虎が自ら物見に出た時、長宗我部の部将・横山隼人の部隊と遭遇、
これと衝突し高虎は横山と槍を合わせる!
と、その時、
「ズキューン!」
高虎に敵の銃弾が命中!
彼は馬から雪崩落ちた!
ただでさえ2メートルを超える巨漢であった藤堂高虎、それが馬にまたがっていれば、
まさに絶好の銃撃の的だったこと、想像するに余りある。
ともかくもこれに横山隼人、
「今が好機!」
と倒れた高虎に留めを挿しに駆け寄る。
ところが!
むくっ。
「!?」
銃撃を受け落馬した高虎は動き出した。
どころか、起き上がると槍を握って横山に反撃を始めたではないか!
横山は恐怖した。
「た、確かに銃弾が命中したはずなのに! こいつバケモノか!」
その恐ろしさのあまり、横山の部隊は城へと逃げ帰ってしまった。
高虎は勝利したのだ!
後で羽柴秀長は、銃弾を受けても敵を追い返した高虎の武功に感激し、
感動のあまり着ていた甲冑をその場で脱いで、高虎に与えたとの事である。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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