阿波一宮城攻め(1)☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

天正13年、秀吉の四国攻めでの話。

豊臣秀長は阿波の木津城を攻めていた。
この時、秀長の軍にあった藤堂高虎は秀長に奨め、軍を分け同国一宮城を攻めた。

この一宮城攻めにあたり高虎は深夜、家臣の服部竹助一人を連れて、

堀の水の深さを測るため堀のすぐ近くまで忍び寄った。

と、城中でこれに気が付き、高虎の方に銃撃が成された。

そしてその内の一発は、高虎の胸先に命中したのだ!
これに高虎は、その場で動かなくなった。

驚いたのは服部竹助である。後ろから高虎に向かって囁いた。

「い、いかが致しましたか!?」

その瞬間、顔面に強烈な衝撃。竹助は吹っ飛んだ。

「黙ってろ!」

竹助の頬を、高虎の猛烈な肱打ちが当たった。

夜の暗さのため城兵には未だこちらの様子は解っていない。

しかし声を出されては再び敵の射撃の的になると考えたのだろう。

高虎、とっさの危機回避であった。
そしてこの肱打ちにより服部竹助は奥歯を二本折ったそうだ。

恐ろしい威力である。

そうしてなんとか陣に帰り、高虎が具足を脱ぐと、鎧と具足下着の間から銃弾が落ちた。
そして高虎の胸は、四、五寸(15センチ前後)四方ほど、

丸く、赤黒く腫れ上がっていたそうである。

後に服部竹助はこの時の強烈な肱打ちについて、
「強かった。あの強さを言葉で表すのは非常に難しい。」

と、それによって折られた奥歯を見せつつ語ったそうである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 下天を謀る・異聞、藤堂高虎

 

 

 

ごきげんよう!