大坂冬の陣の時のこと。
上杉家は鴫野を割り当てられ、いつものように直江は安田を先陣に、
須田を第二陣にして着陣した。
ところが景勝が、
「今日の先陣は誰だ。」
と聞くので、直江が、
「安田です。」
と答えると、
景勝は、「それは良くない、須田を先陣に、安田を第二陣にせよ。」と言った。
直江は納得できなかったのだが、とにかく当主・景勝の命令である。
安田と須田に、陣を代えるよう伝えた。
すると、いつも安田に先陣を取られていた須田隊は、
先陣の名誉を賜った、これは期待に応えねばとはりきり奮闘。
先陣を下げられた安田隊は、名誉挽回せねばと奮起し、
両者は競い合って働き上杉家は鴫野の戦いで活躍。
それを聞いて皆、景勝の采配を誉め讃えた。
ところで先陣を下げられた安田は、
「直江の讒言のせいか!」
と思って激怒し、直江との仲が悪くなったという事である。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!