千利休は、とある古い石灯籠を大切にしていた。
自ら色々手をいれ、これこそ天下一の石灯籠だと自慢していた。
その石灯籠は、利休の高弟としても有名な細川忠興に譲られた。
間もなく、利休は秀吉の命で切腹をした。
石灯籠は、利休の遺品となった。
忠興はその石灯籠を、領地の丹後田辺城へと大切に持ち帰った。
その石灯籠に込められた利休の精神を、
失ってはならない、そう考えたのだろう。
やがて世が転変し、忠興自身が小倉へ、また熊本へと身を移しても、
その石灯籠は常に忠興とともにあった。
今、その石灯籠は、京都大徳寺の塔頭、高桐院の細川忠興の墓に、
墓石として置かれている。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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