左官の名前☆ | げむおた街道をゆく

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細川忠興が、京から、腕利きの左官をつれて領国に下った。
この左官、忠興のお声がかりなのをいい事に、酷く傲慢で、

家臣らの評判はすこぶる悪かった。
 

しかし、実際はきちんとした名字も無い身分。

普請の棟梁として、えらそうにふんぞり返っている自分が、
裏でその事を馬鹿にされているかと考えると、

いても立ってもいられない。

そこでこの左官、忠興に、

「武士のような名字を付けてくださいませ。名前も付け替えていただきたい。」

と、頼み込んだ。
 

殿様直々に頂いた名乗りであれば、家中のものも馬鹿にする事は無いだろう。

そう計算しての事。
 

最初断った忠興だが、あまりにしつこいので、
「では、こう名乗れ、すさ藁の朝臣鏝次 下地壁右衛門。

(すさわらのあそんこてつぐ したじへいえもん)」

忠興も人が悪い。

この左官の目論見を知っていて、からかったわけですな。
この左官、二度と忠興の前で、名前の件を言わなくなったとか。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 激情の人、細川忠興

 

 

 

ごきげんよう!