ある人物が、細川忠興の所有していた名物の茶入をいたく気に入り、
熱心に頼み込み、遂にその茶入を譲って貰った。
そしてその謝礼として、銀千枚と青江の刀を忠興に贈り、
それに因み、
『青江の茶入』
と名付け深く愛用した。
忠興を強欲な人物と批判する声もあったのだが、
青江の茶入を譲られた人物はというと、むしろ安すぎると考えていた様で、
後日改めて銀千枚を贈った。
忠興はこれを辞さずに受け取りつつ、
「我は価(あたい)を重んずるにあらず、人に懇望せらるれば、
其の価を論ぜず、唯義に依って、之を興(あた)ふるのみ。」
と語ったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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