フンドシの心得☆ | げむおた街道をゆく

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細川三斎忠興が、立花宗茂の招きに応じ、一夕、共に会飲し、

雑談も興に入る座で、宗茂の家臣・伊藤某という者が、

忠興にこんなことを質問した。

「戦場において、往々に勇士と呼ばれた者が下帯を脱いだ醜状で、

屍を晒していることがあります。
これはどうして、そのように成るのでしょうか?」

忠興、答えて。
「それは当然の事であり、特段不思議に考える程の事ではない。
総じて人の体というものは、血気充満している時に上帯も下帯も共に体に密着して、
外れないようになっていても、勇士が戦いに斃れると、直ちに体はやせ細る。

特に刀剣の傷を追って斃れた者は、血液が一時に流出するため、

たちまち身体が衰痩する。
それ故上帯はもちろん下帯も脱げ、見苦しい醜態を晒すことが多いのだ。

そうであるから、真の勇士はこのような状況を考え、

下帯を肩から吊り下げて、
落ちないように注意するのだ。

醜態を晒すのは、勇士と呼ばれるほどの者であっても、

常に死ぬ覚悟がないから、
そういう注意もなく、覚悟もないためなのだ。
これは、武士たるもの良く謹むべき事であるぞ。」

この言葉に、伊藤某はもちろん、宗茂も大いに感じ入ったとのことである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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