大坂陣起ころうとする前、細川三斎は領国にいた。
宇土から熊本に行く途中、何者かが馬上で深網笠をかぶって行く者に会った。
三斎は、その者と間近くで行き過ぎ振り返った。
三斎は左右に問うた。
「今の馬上の士、お前たちは何者かを知っているか。」
「知りません。」
「あれは塙団右衛門だ。どうしてこの地に来たのか。
我はあやうく打ち捨てようと思ったが、そのままにしておいた。
もしかすると、遠からず変事が起こるだろう。」
果たして、その後、間もなく大坂の乱が起こったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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