丹後には一色という屋形(一色義定)あり。
信長は天下を得て後、細川幽斎に丹後一国を与えた。
一色を幽斎の婿にして、幽斎の所領内に僅かな領地を与え、
弓木という城に居住させた。
信長死去の明日に三斎(細川忠興)は御屋形を呼び寄せ、手討ちにして城をも取った。
御屋形は三斎の姉婿である。
その時、米田監物という者は刀を持って来て、誤って三斎の右側の傍に置いた。
三斎が刀を取るのに利便が悪く、米田は悟って傍へ行くついでに、
過ちを装って足で刀を蹴り、取り直す様子で左の傍に置いた。
そして盃酒の間に三斎は刀を取り、御屋形を抜き打ちに斬ったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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