城の落とし方☆ | げむおた街道をゆく

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永禄年間の事。

宇喜多直家は、税所元常が城主を勤める竜口城を攻めあぐねていた。

そこで一計を思いつき、
謀臣・岡郷介を呼んで、耳打ちをした。

さて数日後、直家はこう叫んだ、

「郷介は罪を犯した!からめ取って殺せ!」
 

しかし岡郷介は既に、出奔したあとであった。
その頃、郷介は隣国の備中に隠れていた。

そして西郡の道で物乞いをしている乞食の老女を見つけると、

「母上!あなたは生き別れの母上ではありませんか!」

そういって無理やり老女を連れ帰った。

乞食の老女は美しい着物に召使までつけられ、
たちまち豊かになった。

そうしてから郷介は、竜口城に近い船山城主・須々木筑前に仕える事になった。
実母と偽った乞食女を、人質として差し出した。

しばらくして郷介は、船山城から馬を盗み出し城から逃げ出した。

城内の者たちが、

「待て!帰って来い!」
と追ってくるが、かまわず、須々木と敵対関係にあった、

竜口城・税所元常の元に逃げ込んだ。

「私は船山城主、須々木筑前の家来ですが、

理由も無く死罪を申し付けられたので逃げてきました!」

怒った須々木筑前は、人質の乞食女を磔にした。

「母上を!この恨みどうして晴らせば!」

嘆き悲しむ岡郷介に、税所元常も同情し、心を許した。

元来有能だった郷介が、元常から、
はかりごとの相談を受けるまでになるのに、時間はかからなかった。

ある日、郷介は、密書を直家に送った。

その夜、竜口城の秘密の謀議をする場所に、
元常と郷介の二人だけが入っていった。

郷介はそこまで信頼されていた。
 

が、郷介はそこで、後ろから組み付き刀で元常を刺し、首を討ち取ると、

打ち合わせどおり、
直家が密かに用意した船に乗り、そのまま直家の元に帰っていった。

城主が死んで混乱した竜口城を、宇喜多軍はやすやすと攻め落とした。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 宇喜多の捨て嫁・異聞、宇喜多直家

 

 

 

ごきげんよう!