本部新左衛門からの知らせに☆ | げむおた街道をゆく

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大阪の陣の際、福島正則は江戸での留守居を命じられ、

見えぬ大阪表の戦況への思いに、身を焦がす毎日を送った。
 

そこへ、大阪に行っていた使い番の本部新左衛門が戻って来た。

本部の語る大阪方の奮闘は、正則を大いに喜ばせた。

旧知の木村常陸介の息子・重成の活躍の下りを聞くと、

正則は手を打って同席した側近達と笑いあった。
「そうか、そうか! あの小せがれが、そんなに立派な若武者になったか!」

笑って喜ぶ主君に気を良くした本部は、さらに語った。
「しかし拙者、これほど不面目な使いをしたのは初めてにござった。
関ヶ原の頃、福島家中と言えば、

京・大阪ではどこに行っても下にも置かぬもてなしを受けました。
それが今回は、中間下郎に至るまで見下した目を向けられ、

挙げ句の果てに、
『こたびの福島殿の振る舞いは何としたる事だ。故太閤の恩を忘れたか。』
と陰口を叩かれる始末…?」

座の冷えた空気にやっと気付いた本部は語りを止め、

側近達は正則が彼を手討ちにせぬかと顔を青くした。

しかし正則は、
「よく正直に話してくれた。下がって良いぞ。」
と言って本部を退席させると深くうつむき、手で顔を覆って静かに泣き出した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 岐阜城攻め、福島正則

 

 

 

ごきげんよう!