贋金作り☆ | げむおた街道をゆく

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関ヶ原からしばらくたったころ。


備後尾道に贋金作りの組織があった。

彼らが京都銀座の大黒屋常是のところで贋金を両替した。
3年後また、同じ連中が大黒屋に両替に来た。

そしてたちまち捕らえられた。

常是は両替の後、
それが贋金であることに気がつき、彼らをいつも警戒していたのだ。

これを取り調べたところ、福島正則の領地、尾道の者だと判明した。

京都所司代がその旨を福島に報告したところ、福島は怒った。

贋金作りを捕まえた大黒屋常是に対してである。

「常是は町人の分際で我が領民を絡め捕り、板倉殿に届けるとは憎き奴!」

贋金作りの銀貨は、およそ半分ほど、銅を混ぜた物だったと言う。

「ならば常是の吹いた銀の中に少しでも銅が混じっていれば、同じように磔にかけるべし!」

そう強硬に主張した。

 

当時の精錬技術では、銀の生成の過程でどうしても少量の銅が混じる。
福島はこれを知った上で、贋金作りを殺すなら、同じく常是も殺せ!

と言っているのだ。

常是は犯罪人を捕らえたことが何故にこれほど反発をされたのか、

理解できなかったが、
大大名である福島の機嫌を損ねるのも得策ではなく、

所司代との話し合いの上、福島側での処罰を条件に、

犯人の身柄を引き渡す事にした。

が、福島は贋金作りの身柄を引き取ると、処罰もせずに放免してしまった。
これには常是のみならず、京都所司代のメンツまで潰してしまった。

正則がやがて改易にいたる理由の一端が、垣間見られるお話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 岐阜城攻め、福島正則

 

 

 

ごきげんよう!