名古屋城普請の時、諸大名が福島(正則)のところに集まって、
饗応があったのだが、
ことのほか暴雨暴風で、小屋の屋根は持ちこたえられないほどであったのに、
少しの別儀もなかった。
さて、相仕が退去の時に屋根を見なさると、
諸侍がことごとくかっぱを着て、屋根の上に伏していた。
人で葺いたのである。
小屋の上であるのに上がる音もせず、
咳払いの音もしなかったということである。
浅野紀伊守(幸長)はこれを見て、
家来の供の者に、
「これを見よ。」
と、申されたということである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!