黒田家家臣・母里太兵衛に、名槍「日本号」を飲み取られた福島正則。
さて、その翌朝、正則は家臣に尋ねた。
「ああ、昨日は良く飲んだ。おや?わしの日本号はどこに置いた?」
「え?アレは、黒田家の母里殿に、お与えになったじゃありませんか。」
「な…、なんだと!」
正則驚いた。覚えてない。そんなことをした覚えは無い。
はい、みなさん御想像のとおり、正則さん、また酔って記憶をなくしてしまったのです。
「なんということだ! あれは太閤殿下よりいただいた大切な重宝である!
それを他家の家臣に与えてしまうとは…!
何でお前達も黙っていたんだ!」
口答えすれば斬るだろ、酔っている時のあんたは。
涙目の正則、すぐさま母里の元に使者を出した。「あの槍、返して!」
母里、
「いやです。」
正則からの返還要求を完全無視。
その後も、正則より何度も返すように言ってきたが、
母里はついに最後まで、日本号を手放すことは無かったそうである。
正則さん、黒田節の逸話もまた、酒の上の失敗だった。と言うお話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!