秀吉が、中国攻めで播磨神吉城を攻めた時のこと。
初陣を果たしたばかりの福島市松、のちの正則はこの戦いで首一つを獲った。
しかし、再び敵中に入り戦っているうちに、いつの間にか腰に吊るした首が消えていた。
あろうことか、味方に首を盗まれたのだ。
これに腹を立てた市松は猛烈に敵を攻め立て、再び首を獲ることができた。
安心して槍と首を置き、一休みしていたら、またしても味方に首を持ち逃げされた。
さすがの市松少年もこれには泣き出してしまったが、
のちに福島家の家老になった、星野吉次に、
「そんな事で悔しがるとは、お志が小さいですぞ!」
と叱咤され、三たび敵中に駆け入り、見事に首を獲り、秀吉のもとに帰った。
秀吉に経緯を話すと大いに褒められ、感状を授かったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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