清正の土産☆ | げむおた街道をゆく

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加藤清正が、朝鮮へ出兵して帰るとき、

豊臣秀吉への土産にと、虎を生け獲りにして連れて帰りました。
 

しかし、大阪城内で危険な虎を飼うわけにはいきません。

そこで、広い 境内を持っていた伊和志津神社が選ばれ、

境内の隅の藪のなかで飼うことに。
 

ところが、虎はけものの肉は食べますが、その頃牛の肉など簡単に手に入りません。

しかたなく里の人たちは、 毎日犬を捕まえては虎に与えていました。
そのうち、伊孑志(いそし)の里には一匹の犬もいなくなってしまいました。
 

腹をすかした 虎が暴れ出しては大変です。

そこで虎の世話をしていた猟師は、

しかたなく自分の 飼っていた猟犬を餌にすることにした。
 「すまんな。しかたないのだ。虎の餌になってくれ。」

と言い聞かせ、愛犬を虎のいる藪のなかに入れました。

ところが、その犬は一気に虎の喉笛にかぶりつき、離そうとはしません。
驚いたのは里の人達です。大切な預かり物の虎に、

もしものことがあっては大変です。

なんとか犬を 虎から離そうとしましたが、どうすることもできませんでした。
 

あわてた村の役人が大阪の奉行所へ駆け込んで、

事の次第を おそるおそる説明すると、

「なに、虎が犬にかぶりつかれておとなしくしているとォ。そんなものは虎ではない。
猫にでもなったのであろう。すておけ!」

と言われて跳んで帰ってみると、
虎はすでに犬に咬み殺されていました。

なんのおとがめも受けずに済んだ里人達は、

もう虎の餌の心配をすることも無くなり、喜びました。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 蔚山城の戦い、加藤清正

 

 

 

ごきげんよう!