拗ねた秀吉の機嫌を直す☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

文禄元年(1592)、正月朔日の事だという。

この日、諸大名は関白秀次のいる聚楽に出仕、正月年賀の拝謁をし、

それを終えてから、太閤秀吉の御座所へと出仕した。

ところがこの日、秀吉は大変機嫌が悪く、

出仕した諸大名への対面もしようとしなかった。
皆どうしたものかと戸惑っているところ、

太鼓打ちの樋口というものが御前にまかり出て、

「目出度の御正月にて御座候。」

とご挨拶申し上げたところ、秀吉、

「なにが目出度の正月なものか!

天下を人に取られ、このように手狭なところに隠居してしまっては、
面白いことなど何も無いわ!」

と、ものすごい剣幕で吐き捨て、樋口、言葉もなく這々の体で引き下がった。

このような事なので大名衆への対面も何時まで経っても行われず、

これについて話し合った結果、

「今のようなご機嫌ではどうにもならない。

ここは主計殿(加藤清正)が御前へ罷り出られて、
お心に合うようなことを申し上げてご機嫌を直してきてくれ。」

こうして加藤清正が一人、秀吉の御前へと出た。
この時、清正、赤装束だったとか。

さて秀吉は清正に声をかけた。

「主計、名護屋城の普請はどうなっておるか!?」

清正はすぐさま、

「ははっ!名護屋の城、ことごとく出来ました!

大阪城に劣らない、素晴らしい出来でございます!」

「なに?もう出来た?ふむ…ふふふ、そうでなくてはならぬ。」

秀吉、たちどころに機嫌が直った。
そして名護屋城の完成を大いに喜び、諸大名へのご対面も無事、果たされたそうである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 蔚山城の戦い、加藤清正

 

 

 

ごきげんよう!