地獄へなりとも、極楽へなりとも☆ | げむおた街道をゆく

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天正17年(1589)天草国人一揆のこと。

加藤清正は、木山弾正(正親)を大将とする軍と戦いとなったが、
これに出勢の時、清正は道の端にて押し行く軍兵たちの様子を見ていたが、

南部無右衛門という者が、真っ先に進むのを見て声をかけた。

「無右衛門、今日の合戦は大事なるぞ!一入精を出せ!」
 

南部、これに、
「別儀あるまじく候。ただ死ぬる迄よ!」
そう言い捨て通って行った。

 

この言葉を聞いた人々は、あまりに大きな高言であると思った。
ところがこの合戦は、言葉にも似ず木山弾正の勢に追い立てられ、

清正の軍は旗本まで敗れ逃げた。

その後、諸勢によって軍議があったが、

南部無右衛門もその場にいるのを見た清正は聞いた。
「そこにいるのは何者か?」
 

「南部無右衛門なり。」

「いやいや、無右衛門は今ここに来るはずがない。

もし無右衛門ならば、きっとそれは幽霊であるだろう。
清正の家中に、死人が幽霊となったのを抱え置くというのは忌々しいことだ。
さっさとここから、地獄へなりとも極楽へなりとも、行ってしまえ!」

そう言ってその場から彼を追い払った。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 蔚山城の戦い、加藤清正

 

 

 

ごきげんよう!