あれは、賤ヶ岳の戦いの時☆ | げむおた街道をゆく

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「あれは、賤ヶ岳の戦いの時だ。

俺は馬に乗り急いで敵に向かっていた。
 

その時、何処からか、

『未熟者だから急ぐのだ。

敵の前で馬を急がせるなど、みっともないぞ。

もう少し速度を落とせい!』

と聞こえてきおった。
誰かと思えば、声の主は谷兵太夫であった。

なんだこの野郎と俺は思ったが、

谷はベテランだから、味方が寡兵で攻撃に失敗し、

追撃されたところを横から突くつもりで、

あんな道の脇の小高い場所にいるのだろうと思いついた。

 

俺は、じゃあいいやと思って言い返すのを止めて、
そのまま向かっていった。

そして俺は、一番槍を果たして首をあげたわけよ。

実検の後、俺は谷に首を投げて言ってやった。

『どうだ。あんたは未熟者だから急いでみっともないとか言ってたが、

手柄を立てるっつうのはこういう事よ。

よっく子孫に教えてやんな。』

ってな。

 

そうしたらあいつ、顔を真っ赤にして恥じてやがったわ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 蔚山城の戦い、加藤清正

 

 

 

ごきげんよう!