それ故に、私は未だ身の養生を☆ | げむおた街道をゆく

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関ヶ原の合戦後、石田三成、小西行長、安国寺恵瓊が、磔にされる前に、

洛中を曳き廻されている時、
三成はある家の前で、「茶を呉れよ!」

と高らかに言った。
 

これに亭主の老女、茶を持って出て、
「御いたわしや、茶を参らせ給え。」
と差し出した。三成はこの茶を快く飲んだ。

この時、亭主の老女、鳥柿(干し柿)を盆に摘んで茶碗に取り添え、

「これを御菓子にて茶を参り給え。」

と言ったが、

 

三成は、
「汝の憐は祝着なれども、このごろ腹中を患い、未だとくと本復せざる故に、

柿は禁物なのだ。」
そう言って茶ばかり飲んだ。

小西行長が後で、
「これから首を斬られる身に、養生は無益である。

老女の志と言い、差し出されるままに菓子を食うべきだった。」
そう言ったが、

 

三成は、小西の方を振り返ると、
「貴所は心得ぬことを言う人かな、今日河原に引き出されて首を討たれる瞬間まで、

世間の変化を予測することは出来ない。それ故に、私は未だ身の養生をするのだ。」

そう、荒々しく答えたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 大一大万大吉、石田三成

 

 

 

ごきげんよう!