秀頼公の御出馬を、急がせるべし☆ | げむおた街道をゆく

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ある本によると、真田左衛門佐は、茶臼山の出先に屯したが、

子息大助を呼び、
「其の方は昨日の一戦で負傷したから望ましい働きは叶うまい。

それに思う仔細があるから、其の方は今のうちに御城に帰り、

御前の御先途を見奉れ。」

と言った。

しかし、大助は、

「戦の始まる直前に、そのようなことをするのは、本意ではありません。
父君と死をともにしたく思います。」

と承知しないので、左衛門佐は大助を近くに呼び寄せ、何やら申し含めた。

すると大助は伏してすぐに馬に乗ろうとしたが、父の方を見遣り続けて、

離別の情は切なるものであったので、左衛門佐が近臣をもって心強く言い遣ると、

大助はこれに励まされて馬を乗り出した。

それでも大助は幾度となく父を見返って城へ帰った。

衆人は父子の別れを見て、
涙を流さない者はいなかったという。

ある記によると、真田左衛門佐は、

「秀頼公の御出馬を急がせるべし」

と、大野治長と示し合わせて城中に帰し、

なおも、

「御出馬を急いで勧め奉れ。」

と大助を帰した。

それを知らない士卒らは、

「大野も城中に逃げ入り、真田は味方の負けを知って、
我が子を城へ帰した。」

と言ったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 真田丸・異聞、目次

 

 

 

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