最後の恩賞☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

4万の島津勢に対し、高橋紹運が、

700人余りの兵と共に岩屋城に立てこもった時の事である。
家臣の杉山山城を「山城殿」と言って呼び寄せ、

「この城は後20日と持たないだろう。そこで頼みがある。」

と告げた。

主君からいきなり「殿」と呼ばれ、その理由が判らず山城が戸惑っていると、

「その方の家は先祖をたどれば我が高橋家より上の家柄。

今は立場が変わって主従となったが、
前々から同輩であった様な親しみを覚えていた。

最後の役目に当たり、成功したら領地を与えると言った所で絵空事でしかないので、

『殿』をつけて呼ばせてもらって、その方を軽んじていないという私の心を表し、

せめてもの褒美としたいのだ。」

と語り、

「そして頼みとは、死に臨んで心残りとならぬよう、

敵中にいる次男の直次を宝満城に送り届けるか、
さもなくば殺してくださらぬか。」

と頼んだのである。

紹運のこの心遣いに打たれた山城は、敵中を突破して無事に直次を、

宝満城へ連れて行ったという。
 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 乱世の華・高橋紹運、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!