立花鑑載討伐の時、高橋紹運は味方を一ヶ所にまとめた。
紹運の手勢は士卒四十七名、雑兵一〇九人が残っているばかりであった。
「さあ、みんな弁当にしよう。」
と携帯していた握り飯を取り出した。
その握り飯を食べられたのはたったの八名だけだった。
その八名の中に紹運も入っていた。
だがいざ握り飯を食べるとたちまちゲロったり喉に詰まらしたりした。
ここで紹運は、
「数千の味方も、あるいは手負い、あるいは討死し、
ここに集っているのは身分の高下を問うまでもなく、
一騎当千のつわもの揃いである。
人が死ぬことほど大なることはない。
男たる者がこれから死ぬかもしれないという時に、
飯ぐらい食えないでどうするか。わしをよく見ていよ。」
と言って握り飯を三、四個食べた。
他の者もゲロして場合じゃないと思ったのか、急いで食べたと言う。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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