天正六年。
織田信忠が岐阜城で飼っていた四羽の鷹の子が、
いずれもいい感じに育った。
いい感じに育てあげた鷹匠は、近頃めずらしいお手柄である。
七月二十三日。
信忠はこの鷹を鷹匠の山田と広葉の二人に持たせて、安土へ届けた。
信長はその中から一羽を受け取り、あとの三羽は信忠に返してやった。
鷹匠二人には、
「育てるのは大変だったろう。」
と労りの言葉をかけたうえ、銀子五枚ずつに衣服を添えて与えたので、
鷹匠は大感激しながら帰っていった。
十月十四日。
信長は信忠の鷹を使い、長光寺山で鷹狩りを行なった。
鷹が獲物を捕らえた為、信長は上機嫌だったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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