三人目の軍奉行☆ | げむおた街道をゆく

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織田信長が、まだ尾張一国の大名であった頃の事。

信長の下では、柴田勝家と坂井右近が、軍奉行を勤めていたが、

信長はこの中に、蜂屋頼隆を加えたいと考えた。

これを知った柴田、坂井の両人は、信長にこのように言った。
「蜂屋を軍奉行にするのであれば、

我らの軍奉行の役職を召し上げていただきたい。」

要は、「俺らを蜂谷みたいなぽっと出と同格にする気なのなら、

そんな役職御免こうむります。」

ということだ。

これに信長は激怒―、しない。
彼らを無視して自分の考えを強行―、も、しない。

良く誤解されているが、

信長という人物は特に短気という訳でもなく、独善的なわけでもない。
 

この時も信長、書状で二人に懇願した。

「どうにか蜂屋の軍奉行就任に、同意してくれないか?」
しかし両人とも、にべもなく拒絶。

そこで信長は二人を呼び、直接説得をした。

「蜂屋が、お前達二人と同じ武功があるわけでは無い事、

これはわしもちゃんと解っている。
しかし蜂屋は諸事、頭の回転が速い男だ。
例えば戦の状況によって、

お前達二人のうちどちらかが、

わしの元に報告に行かねばならぬこともあるであろう。

また、わしの方から、両人一致の意見を聞かねばならぬこともある。

そのような時、蜂屋がいれば、これをわしの元への使いよこし、

又、わしがそなた達の意見を問う時にも奴を遣わせば、

いかにも便利になるではないか。
そのようなわけで、蜂屋をお前達の中に加えたいのだ。」

この言葉に柴田、坂井は納得をし、蜂屋の件に同意したとのことである。

信長も、人事には色々苦労したのだ、と言うお話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 第六天魔王・織田信長、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!