桶狭間の合戦のあと、混乱が一段落した頃、
信長の前に権阿彌という義元の刀持ちが引き出された。
信長は権阿彌を清洲に召し出すと、
合戦の様子や義元のことなどをしきりに聞き出し、
更に討ち取った首を見せて実検させた。
権阿彌はその首に名を書いた札を置きながら、
それぞれの合戦前後の様子を語って聞かせた。
信長は、これを大変喜んで、権阿彌に脇差しを与え命を助けてやった。
そしてしきりに義元のことを感心し、
十人の僧を呼ぶと義元の首を持たせ、権阿彌を伴わせて駿河へ返した。
更に清洲の近郊に義元塚を作らせ、
弔いの法事には千部の経を読ませたそうだ。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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