割り粥☆ | げむおた街道をゆく

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豊臣秀吉が、母の菩提を弔うために高野山を訪れた時のこと。


盛大に法要をいとなんだ後、

秀吉は急に割粥(米粒を臼で割り、お粥にしたもの)が食べたくなり、

すぐにつくるよう住職に命じた。

ところが、高野山にはお米がなく、おまけに米臼もない・・・。
天下の太閤殿下の申し入れを断ることも出来ず、住職は困り果ててしまう。

すぐさま米を調達に向かわせる住職。
それ以外に全山の小僧を集め、米粒を包丁で二つに切り、
これを粥にして献上した。


秀吉は大いに喜んだが、あまりにも切り口の見事なことに気づき、
「いかにしてこのような粥を作ったのか。」と住職にお尋ねた。
住職が米粒を包丁で切ったことを言うと、秀吉は大いに感激し、
みなにほうびを与えた。

さらに、秀吉が「お山に臼はないのか。」とお尋ねになったので、
住職は「はい、女人禁制のお山には杵(きね)はたくさんございますが、
臼(うす)は一つもございません」と答えた。

ややしばらくしてから、機転に満ちた住職の答えの意味がわかった。
秀吉は、「さもあらん。」と大笑し、上機嫌で高野山を下りた。


この話、秀吉が感激した話と住職に怒った話がある。
以下、秀吉が怒った話。

 


「いかにしてこのような粥を作ったのか」と住職にお尋ねた。
住職が米粒を包丁で切ったことを言うと、秀吉は急に怒り出し、
「何故、最初から無いといわんのじゃ!!」と住職に怒鳴る。

驚いた住職に秀吉はこう切り出した。

「ワシは別に贅沢がしたい訳ではない。
確かに割り粥が食べたくなり注文したが、
米が無いならば素直にそう言えばよいではないか。
人に無理強いをさせる為に天下人になった訳ではない。」


と、秀吉は住職にいうものの
時の権力者に「米がないです」とは言えないもの・・・。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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