そうして滝川左近太夫(一益)は、
秀吉に懇望して身を任せ、長島城を渡すことで許容となった。
このような時(出典の成立年。1583年)に、
東国においては徳川家康と北条氏政、北国においては長尾景勝(上杉景勝)、
西国においては毛利輝元が、皆秀吉へ方々から寄り集まっている。
天下は秀吉の掌握に帰すといえよう。
漢の高祖が天下を取った時に三傑あり。
戦に優れたのは韓信なり。糧を巡らすのは蕭何なり。謀を巡らすのは張良なり。
源頼朝が日本を治めた時に三賢あり。
義経は戦功をことごとくし、梶原景時は世勢をもっぱらにし、
北条時政は政道を行った。
これはすべて良臣の諫めによって成し遂げたのである。
今は秀吉が一心で謀を巡らし糧を蓄え、戦をもっぱらにする。
まことに前代未聞の大将なり。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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