負傷者と笠☆ | げむおた街道をゆく

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賤ヶ岳合戦の際、余呉湖の西岸で、
佐久間盛政と秀吉軍との間で激闘が繰り広げられていた。


佐久間側では死者4000。
秀吉側でも、これに匹敵する戦死者が出たという。
 

この合戦の凄まじさを表すものに、
この余呉湖の鮒は、死者の血を飲んだために腹ヒレが紅くなり、
その血染めの水が川を渡り琵琶湖まで届いて、

紅さし鮎が生まれたと言う話がある。

秀吉はこの戦の決着に決着がつくと、

賤ヶ岳山頂から、死傷者で溢れる湖畔まで降りてきた。


初夏の日差しが降り注ぎ、負傷者は喘ぎ苦しんでいた。


秀吉は、
「なんて苦しそうなんだ、何とかしてやりたいものじゃが…。」
と思うが、どうにもそんな手立てはない。
 

そんな秀吉の眼に周りの山々から、この合戦を見物していた、
多くの老若男女の姿が映った。
 

すると秀吉は、黒鍬の者たちに、
「あやつらの笠をもらってまいれ、褒美を取らせると言ってな。」
と命ずる。


笠を集めた秀吉は、
「さぞ暑いであろう、ほれ、もう少しの辛抱じゃ。」
そう言って、敵味方かまわず自らかけてやったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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