ある年の元旦の事☆ | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

信長の、ある年の元旦の事。

大広間に雑煮の膳が並べられたのを見ていると、

よりにもよって信長の膳だけ、

箸が片方だけしか置いていないのを発見。

「これは、どういうことだ?」

見る見るうちに機嫌が悪化する信長。

硬直する家臣一同、凍てつく空気、その時である。
末席にいた、当時まだ木下藤吉郎と呼ばれた秀吉が進み出た。

「やあやあ!これはめでたい!上様が今年から、

諸国を片はしに取られると言う吉兆でございますぞ!
ああ、めでたやめでたや!」

信長、機嫌を直す。

 

家臣一同、秀吉に深く深く感謝する。



信長の、また別の年の元旦の事。

正月のご挨拶に諸大名が出仕してみると、信長の機嫌がまたえらく悪い。

「昨夜、このような夢を見た。
どこかへの出陣で、具足をつけて馬に乗ったところ、

その馬の足が四本とも突然折れて、
わしは地面に投げ出された。

これはいかなる兆しであるか?」

一同、それは凶兆だろうと思うが、

そんな事を言えば大変な事になると思い押し黙る。
その沈黙に、ますます機嫌の悪くなっていく信長。

硬直する諸大名。凍りつく大広間。その時である。
 

またも木下藤吉郎進み出て、
「やあやあ!これはめでたい!

その夢はすなわち、合戦に出るたびに、

勝ち(徒歩)武者の武名をお上げになるお告げでございますぞ!

いやはや千秋万歳千秋万歳!」

信長、機嫌を直す。

 

諸大名再び秀吉に深く感謝する。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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ごきげんよう!