草津温泉で湯治中☆ | げむおた街道をゆく

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慶長3年(1598)4月、

上野国は草津温泉で湯治中の前田利家のもとに、佐竹義宣がやって来た。
「関東へお越しなら、この義宣に声をかけてくれれば良いものを…。」
「いやはや、申し訳ない。」
義宣は利家につきあって五日ばかり滞在し、

喜んだ利家は吉光の刀を義宣に贈り、二人は別れた。

「行ったか。さて、あとは一人でゆっくり湯に…。」
 

「拙者、徳川内府よりの使者にて、神谷善右衛門と申します。

上州はからっ風と言って、風荒き土地。
お風邪を召されては大変、これをお納め下さい。」
善右衛門は小袖三十枚・夜着二枚・布団二枚を持参し、

礼として利家は、新しく造らせた大脇差と道服数枚を授けた。

「関東では、我ら徳川の者に何でもお申し付けいただきたい。それでは…。」
 

「行ったか。やっと一人でゆっくり…。」
 

「堀秀治よりの使者にござる。越後へ国替えのご挨拶に参りました。

これからは隣国同士、よろしくお願い致します。」
 

「…よろしく……。」
 

堀家への返礼として、利家は小袖十三枚を贈った。

「行ったか。やっと一人で…。」
 

「蒲生秀行よりの使者にござる。お家騒動にて改易もやむ無きところ、

宇都宮十二万石への減封で済んだのは、
ひとえに大納言様のお力添えあっての事。厚く御礼申し上げます。」
 

「よかったな。」
 

これまた蒲生家への返礼として、利家は小袖十枚を贈った。

 

その後も、各家から使者が続々と詰め掛けた。

利家「わしは、湯治に来たんだけどなあ……。 」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 槍の又左・前田利家、目次

 

 

 

 

 

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